購入したもののうっかりネタバレを見てしまい、結局購入から半年近く経ってからプレイするはめになったカオスチャイルド
カオスチャイルドとは、科学アドベンチャーシリーズの4作目にあたるビジュアルノベルゲームで、そのシリーズの1作目でもあったカオスヘッドとの繋がりのあるゲーム
とにかく、グロテスクかつショッキング、そして陰湿なストーリー内容が特徴的
今作もカオスヘッドと同様の要素がいくつかあり、その中でも特徴的な要素としてテキストを用いた選択肢を使用せず、変わりに妄想トリガーというものがストーリー分岐のフラグとなっている
この妄想トリガーとは、定期的に訪れる主人公の妄想癖の内容をポジティブもしくはネガティブな内容に変換できるもの
例えば、同一場面でもポジティブな妄想をすると、ラブコメみないな展開の妄想が始まり、ネガティブな妄想をすると陰湿な展開が始まる
ただ、1周目は妄想トリガーでの選択はあまり意味が無く強制的に一つのエンディングを迎える仕様(一部バッドエンドがある)
新要素のマッピングトリガー
カオスチャイルドには、妄想トリガー以外にもマッピングトリガーというものがあり、公式サイトにも書いてあるように、このマッピングトリガーも一つのフラグとなっている
マッピングトリガーとは、渋谷周辺の地図を使ったゲーム要素で、例えば事件の内容に対していくつかある現場写真の一つを選択し組み合わせたりする
ほとんどは事件整理のために使われる事が多いけど
ただ、一部を除いて選択を間違えてもやり直しがきくため、難易度はあって無いようものなんだけど、トロフィー獲得には重要な要素でもある
序盤から飛ばしまくるストーリー展開
このゲームの魅力の一つでもある猟奇的な殺人方法
それを序盤から惜しげもなく見せつけてくる
特に犯人の行動はとてつもなく不気味で、犯行に及ぶさいあるアクションを起こすのだけどこれが下手なホラーより怖い
そして、序盤から展開も速く常に緊張感のある内容のため、だれる要素も少なく1周目は一気にエンディングまで進めてしまった
ただ、メインストーリーが良く出来ている分、妄想トリガーにより発生するエピソードは退屈に感じてしまうけど、トロフィーを気にしなければそれらエピソードをスキップできるため、メイン部分だけ追いたい人は1周目は妄想トリガーを引かないで進めるのもあり(1周目は妄想トリガーを使わなくてもクリアに影響がないため)
散りばめられた伏線
カオスチャイルドでは、妄想と力士シールがかなりの割合で重要な要素になっている
前作にあたるカオスヘッドでは「その目だれの目」というキーワードが印象的だったけど、今作はその役割を力士シールが補っていると言っていい
実は、カオスチャイルドをプレイして一番感心したのはなによりもこの力士シールの存在だ
カオスヘッドでも度々でてくる「その目だれの目」というなんとも言えない不気味かつインパクトのあるフレーズに感心したけど、力士シールはまた違った感じで絶妙な不気味さが伝わってくる
まあ、力士シールも見た目からしてなんとなく大きな謎が隠されているように見えるわけだけど、それ以外にもこのゲームにはたくさんの謎が散りばめられている
例えば、普段の会話や行動にも伏線があり、何気ない会話に含ませることもあれば、何かしら違和感を感じる部分がただの過剰な演出ではなくしっかりとした伏線だった事に気づいた時は、正直驚いた
ちなみに1周目だけでは全ての謎は解明されず、そのあと個別ルートをクリアし、ようやくTrueへと進めるわけだけど、Trueルートでこのゲームの印象が大きく変わる謎が隠されているため、個別を流し読みしてでも進める価値は十分ある
個別ルートもそれなりに面白いけど、やはり1周目に比べると内容が弱い気がする
主人公 宮代拓留
宮代拓留は見た目だけだと、眼鏡キャラ特有の冷静沈着なイメージだけど
実際は感情的で良くも悪くもわかりやすい人間
とにかく初対面に対してコミュニケーション能力が極端に低く、自分とクラスメイトの違いを情報に強い人間(情強)と弱い人間(情弱)にわけて考える癖がある
そういった理由から、拓留が所属している新聞部の部員以外とはまともに話せずにいる
まあ、彼にとってあまり良く知らない人間ということで、人をバカにしたような考えをもっているだけで、よく知っている人間に対しては優しさを見せるし、基本的にはそれなりにいい奴でもある
ただ好奇心旺盛のためか後先考えず行動する事が多く、一見積極的に見えてここ一番になると消極的になりやすい
そのため、人を守るよりも守られる方が多い印象
しかもなにかしら感情的になりやすいため、けっこう人に強くあたる事が多い
それでも、なんだかんだ言って前に進もうとする強い意志も持っている
とはいっても、宮代拓留の魅力が出るシーンって限られているため、クリアした人とそうでない人で大きく印象が変わるかも
個人的には嫌いじゃないけど
クリアしての感想
とにかく1周目とTrueはさすがシリーズとあって素直に面白いと思えるゲームだっただけにその分、個別ルートが少し残念に思える
個別ルートもそれぞれ明かされてない謎が解明される要素もあったし、それぞれ違った話の内容だったので悪くないんだけど、1周目の後だとやっぱり弱いし少しだれてしまう部分があったのが残念かな
もちろん、これは贅沢な話なんだけど
後、ヒロイン達はみんなしっかり個性もあって、魅力的だったと思う
特に有村雛絵は良かった
最初見た時、一番裏表がありそうな印象だったんだけどね
とりあえず、科学アドベンチャーシリーズの最新作でもあるカオスチャイルドが予想を上回る出来で本当に安心した
ちなみに、自分が見たネタバレだけど、Trueをクリアした時にはさほどたいした事ない内容だったんだなと気づかされました